Glossaryレビュー

レビュー依頼(Review Request)

レビュー依頼とは、注文のあとにストアが顧客へ送り、レビューの投稿をお願いするメッセージのことで、いつ届くか、どのチャネルで届くか、何回追いかけるかという三つの変数が、文面の巧拙よりもはるかに大きくストアのレビュー件数を左右します。

別名 レビュー依頼メール, レビューのお願い, Review Request

ほとんどの人は、促されなければレビューを書きません。ストアが持っているレビューは、まれな例外を除いてすべて、ストアが依頼したレビューです。つまり依頼は、収集の最後に付け足す事務作業ではなく、収集の仕組みそのものです。運営者は文面に注意を注ぎがちです。文面は判断らしく感じられる部分だからです。しかし三つのてこのうち、文面は最も小さいものです。数字を動かすのは、タイミング、チャネル、そして送る回数の設計です。

タイミングは最も影響が大きく、そして最もよく間違えられます。原則は、購入後ではなく使用後に尋ねることです。依頼の起点を注文ではなく配達に置き、そのうえで、その商品が判断できるようになるまでの期間を足します。スマホケースは届いた日に評価できます。マットレスは2週間ほど寝てみる必要があります。美容液は、顧客が推測ではない何かを言えるようになるまでに1か月かかります。初期設定のフローが置きがちな注文確認の時点で送ると、集まるのは決まってチェックアウトと配送の速さについてのレビューです。その時点で顧客が本当に知っていることは、それだけだからです。

チャネルは、開封率と同じくらい同意の問題です。メールが既定になるのは、安価で、届きやすく、そして礼を失せずに無視できるからです。SMSははるかに高い確率で開かれ、はるかに許容されにくく、送るために必要な同意の範囲は、多くのストアが考えているより狭いものです。同梱するカードやQRコードは、マーケティングメールをそもそも開かない人にも届き、注文あたりの費用は印刷代以外にかかりません。ログイン後のサイト上の案内は、再購入の顧客をとらえます。これらのチャネルは互いに置き換えのきくものではなく、同じ顧客に全部を重ねることが、レビュー施策を苦情に変える近道です。

件数が静かに失われるのは、送る回数の設計です。1回だけでは取りこぼします。都合の悪い日に届いたメッセージは、それきり消えてしまうからです。5回は嫌がらせです。1週間ほど間隔をあけて2回、多くても3回というのが、誠実に引ける上限です。そして明確な停止条件を置きます。レビューが投稿されたら止める、配信停止されたら止める、どんな内容であれ返信が来たら止める。依頼のどの段階からも、メッセージからワンタップで、注文内容をすでに把握しているフォームへ進めるようにします。顧客がログインすることも、商品を検索することも、どのバリエーションを買ったか思い出すことも、必要にしてはいけません。

ビタミンC美容液を販売するShopifyストアを考えてみます。月におよそ600件の注文があり、レビュー依頼は出荷の時点で送られていました。返ってくるレビューは梱包と配送の速さを褒めるものばかりで、これは初日に顧客が正直に評価できることそのものですが、商品ページには肌についての記述がほとんど残りませんでした。ストアは依頼を配達の30日後に移し、返答のなかった人にだけ7日後に一度だけ追いかける形にして、フォームの最初の項目を星評価から一つの自由記述の質問に変えました。何に気づきましたか、そしてそれはどのくらい経ってからでしたか、という質問です。件数はおよそ2倍になりましたが、有用だった変化は文章のほうでした。期間と具体的な内容を含むレビューが届くようになり、それこそが、迷っている買い物客が実際に探している材料です。

依頼には三つの制約がかかり、そのどれにも交渉の余地はありません。依頼は顧客の感情によって絞り込んではいけません。購入したすべての人が、同じフォームへの同じリンクを受け取ります。不満を持ちそうな顧客を予測して非公開の窓口へ振り分けるフローはレビューゲーティングであり、米国のFTC(連邦取引委員会)はこれを欺瞞にあたると表明しており、大半のプラットフォームは明確に禁止しています。特典を用意する場合、それは評価の内容に対してではなくレビューを書くという行為に対して支払われるものであり、その旨を表示します。そしてレビュー依頼は、注文についての取引通知ではなくマーケティングです。メールで送るなら、機能する配信停止の手段と送信者の氏名および住所を添える必要があり、配送連絡のために顧客が伝えた携帯番号は、マーケティングのSMSを送ってよいという同意ではありません。ルールは市場ごとに異なり、また変わります。日本では特定電子メール法により、広告や宣伝を含むメールは原則としてあらかじめ同意を得た相手にのみ送信でき、送信者の表示と受信拒否の方法の明示が求められます。米国では、マーケティングのSMSに事前の明示的な同意と、配信停止キーワードへの対応が必要です。注文があったこと自体が同意を生んだと考えず、自分が実際にどの根拠を持っているのかを確認してください。

最も考えられていないのは、依頼がレビューの中身まで決めているという点です。最初の項目が星評価のフォームは、形容詞を集めます。評価は総括的な判断を先に呼び起こすからです。一つの具体的な質問から始まるフォームは、名詞の入った文章を集めます。迷っている買い物客にとっても、情報を取得して要約するシステムにとっても、使えるのはそちらです。家具の購入者にどの部屋に置いたかを尋ねる、ランニングシューズの購入者にふだん走る距離を尋ねる。そうすると、よかったという言葉の壁ではなく、実際の疑問に答える集合体ができあがります。依頼の設計はレビュー集合の設計であり、フォームを一か所直すだけで済むという意味で、レビュー周りで最も安価なてこです。

All of Glossary